少子高齢化で変わる「賃貸ニーズ」の行方― これから賃貸不動産市場はどう動く?オーナーが押さえるべきポイント ―

日本では人口の減少と高齢化が進み、賃貸市場にも少しずつ変化が表れ始めています。
今後10〜20年のあいだに、これまでとは違う賃貸ニーズが主流になっていくでしょう。

この記事では、そんなこれからの賃貸市場でどんな動きが予想されるのか、
そしてオーナーや投資家が今からどんな準備をしておくべきなのかを、わかりやすくまとめてお伝えします。

目次

1. 少子高齢化が賃貸市場に与える3つの変化

① 若年層人口の減少で“入居者争奪戦”が激化

これまで賃貸の主な入居者だった20〜40代は、これからも減少していくとされています。
その結果、賃貸市場では次のような変化が起きやすくなります。

  • 空室が埋まるまでの期間が長くなる
  • 賃料に下落のプレッシャーがかかる
  • 築年数が古い物件ほど、不利になりやすい

特に、単身者向けのワンルームは物件数も多いため、今後はさらに競争が激しくなる可能性が高いです。

② シニア層の賃貸需要はむしろ増える

一方で、今後増えていくと考えられているのが「高齢者の賃貸ニーズ」です。

その背景には、

  • 持ち家から賃貸への住み替え
  • 老朽化した自宅からの移転需要
  • 家族と別に暮らす“単身高齢者”の増加

といった動きがあります。

ただし、高齢者の入居を受け入れる場合は、リスク管理も欠かせません。
「高齢者向けの設備」や「見守りサービス」、「保証会社の利用」など、安心して貸し出すための仕組みづくりをセットで考えておくことが大切です。

③ “ファミリー需要の二極化”が進む

子どもの数は減っているとはいえ、都市部のファミリー向け賃貸には、今でも根強い需要があるエリアが存在します。

例えば、

  • 保育園や学校などの教育環境が整っている
  • 再開発で街の魅力や利便性が向上している
  • 共働き世帯にとって暮らしやすい立地である

こういった地域では、むしろファミリー需要が安定して高い傾向があります。

一方で、郊外や交通アクセスが弱いエリアでは空室リスクが高まりやすくなっています。
つまり、「ファミリー向け=需要が安心」というわけではない時代に入ってきているのです。

2. 今後伸びる可能性が高い“新しい賃貸ニーズ”

① シニア向け賃貸(サービス付き高齢者住宅・軽介護対応)

高齢者向けの賃貸市場は、今後も伸びていくと考えられる分野です。
求められるのは、いわゆる“普通の賃貸”ではなく、もう一歩踏み込んだ安心感やサポートです。

たとえば、

  • バリアフリー仕様
  • 見守りサービスの導入
  • 病院や介護施設との連携

といった要素があることで、入居者本人だけでなく家族にとっても安心できる住まいになります。

② コンパクトマンション × 共用サービス

若い世代が減っているとはいえ、「利便性の高いエリア」の人気は相変わらず強いままです。
その中でも、ちょっとした“付加価値”がある物件が選ばれやすくなっています。

例えば、

  • 無人宅配BOX
  • 無料Wi-Fiや高速インターネット
  • 防音性の高い構造
  • テレワークができる共用スペース

といった設備やサービスがある物件は、暮らしやすさが高まり、競争力を維持しやすくなります。

③ 外国人向け賃貸

今後増えていくと考えられているのが、「労働者・留学生・技能実習生」など外国人の賃貸ニーズです。

そのため、

  • 家具・家電付き
  • 多言語での対応
  • 火災保険や契約手続きのシンプル化

といった工夫があると、外国人にとって借りやすくなり、空室対策としても大きな効果があります。

④ 低価格賃貸 × コンパクトリフォーム

人口が減っていくエリアでは、高めの賃料設定が通りにくくなる傾向があります。
そのため、今後は次のような運用が求められるケースが増えていきそうです。

  • 最低限のリフォームで住み心地を改善する
  • 低価格に設定して、回転率を重視した運用を行う

空室リスクを抑えつつ、効率的に運営することがポイントになります。

3. オーナーが今から取り組むべき対策

✔ 対策1:ターゲットを“再設定”する

これまで若い世代を中心に考えていた物件でも、
「高齢者」「外国人」「小さな子どもがいる家庭」など、入居ターゲットを広げることで空室リスクを大きく減らすことができます。

✔ 対策2:設備投資は“賃料UPにつながるもの”に絞る

この数年で特に効果が高い設備やリフォームは、例えば次のようなものです。

  • 宅配BOXの設置
  • ネット無料(Wi-Fi完備)
  • 防犯カメラなどの安全対策
  • 壁紙や床のリフレッシュ
  • バストイレ別化(可能であれば)

ただし、過剰なリノベーションは費用を回収しにくくなることもあるため、投資対象や内容を慎重に選ぶことが大切です。

✔ 対策3:見守りサービス・保証会社の導入

高齢者や外国人の入居を受け入れる際に欠かせないのが、安心して貸せる仕組みです。

  • 見守りサービスの導入
  • 家賃保証の利用
  • 生活トラブルが起きた際の対応サポート

こうした体制を整えることで、オーナーのリスクを大きく軽減することができます。

4. まとめ: 少子高齢化は「チャンス」でもある

少子高齢化=賃貸需要が下がる、と思われがちですが、実際には「ニーズの形が変わる」だけです。

  • 若年層向け物件は競争が激しくなる
  • シニア層・外国人・都市部のファミリー層はむしろ増加
  • 付加価値のある物件が選ばれる時代に

こうした変化を正しく捉え、入居ターゲットや設備を最適化することで、これからの賃貸市場でも十分に戦うことができます。

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