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シニア向け住宅・高齢者住宅市場の最新不動産事情

日本では高齢化がどんどん進んでいて、「超高齢社会」と呼ばれるようになってからすでに長い時間がたっています。特に2025年には、団塊の世代(1947~49年生まれの人たち)が全員75歳以上になり、本格的な高齢化の時代がやってきます。こうした流れの中で、高齢者向けの住宅やサービスに対する関心やニーズもどんどん高まっています。
この記事では、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」などの最新動向をはじめ、地域ごとの住宅の足り具合、介護の人手不足の問題、ロボットやAIといった新しい技術の活用状況など、2025年時点での最新情報をやさしくまとめてお伝えします。

目次

サ高住の増加と都市部での高まる需要

国土交通省の発表によると、2025年3月の時点で、日本全国にあるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は約8,300か所、全部で約29万戸まで増えています。これは、去年と比べても確実に増えていて、それだけ高齢者の住まいに対するニーズが高まっていることを表しています。
特に都市部では、医療や介護のサポートとしっかり連携した、質の高いサ高住が増えてきています。たとえば、東京都中央区にできた「グランクレールHARUMI FLAGシニアレジデンス」は、自分のことは自分でできる元気な高齢者向けの住まいとして、設備やサービスがとても整っていて、今注目を集めています。

地域によって異なる需給バランス

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は全国でどんどん増えていますが、地域によって高齢者の人数がちがうため、「必要な数」と「実際にある数」のバランスに差が出てきています。

たとえば、大阪府や青森県では、国が目標としていた数にもうすでに届いていて、今のところサ高住は足りていると考えられます。

でも、東京や神奈川、埼玉などの大きな都市では、これから2040年に向けてもっと高齢者が増えると見られていて、まだまだサ高住のニーズ(必要とする人の数)は高いまま続きそうです。

反対に、北海道や兵庫県の一部では高齢者の数がこれから減っていくと予想されていて、すでにある施設をどうするか、整理したり見直したりすることも必要になるかもしれません。

深刻化する介護人材不足とロボット・AIの活用

高齢者向けの住宅では、お年寄りをお世話する介護スタッフがとても大事です。でも今、日本全国でそのスタッフが足りておらず、大きな問題になっています。

2024年の時点では、介護の仕事をしたい人1人に対して、4〜5つの仕事の募集があるくらいで、人がなかなか集まりません。そして、2040年ごろには、日本中でおよそ270万人もの介護スタッフが必要になると言われています。

そこで、スタッフの数が足りない問題を少しでも助けるために、最新の技術(テクノロジー)を使う取り組みが広がっています。

たとえば…

  • 「ロボットスーツ」を体につけると、重たい物を持つときに体がラクになります
  • AI(人工知能)が、お年寄り一人ひとりに合ったお世話の計画を考える手伝いをしてくれます
  • 「見守りセンサー」を使えば、スタッフがそばにいなくても、24時間いつでもお年寄りのようすを見守ることができ、何かあったときにはすぐに気づけます

こういった新しい技術をうまく使うことで、介護スタッフの負担を減らしつつ、お年寄りが安心して暮らせる環境が少しずつできてきているのです。

賃貸住宅への入居が難しい高齢者をどう支えるか

お年寄りがアパートやマンションを借りようとしても、約4人に1人(27%)が大家さんに「ダメです」と断られてしまうというデータがあります。

これは、もし一人で亡くなってしまう(孤独死)ことや、家賃の支払いが遅れることを心配する大家さんが多いためです。

このような問題を少しでも減らすために、最近では「見守りサービス」を取り入れる不動産会社が増えてきています。

たとえば、シマダハウスの「NiSUMU CARE(にすむケア)」というサービスでは、お部屋の中にセンサーをつけて、お年寄りの生活のリズム(たとえば朝起きる時間や動き)を見守ります。もしいつもと違う様子があれば、自動でスタッフや家族に知らせてくれるしくみになっています。

こういったサービスがあることで、お年寄りが一人で安心して暮らせるようになり、大家さんも安心して部屋を貸しやすくなってきています。

まとめ

これからの高齢者住宅に求められる視点

これからの高齢者向けの住宅は、いろいろなタイプが必要になり、サービスの内容もどんどんレベルアップしていくことが求められています。

たとえば、こんなことが大事になります。

  • お年寄りが安心して毎日を過ごせること
  • 介護や病院としっかりつながっていること
  • AIやセンサーなど、新しい技術をうまく活用すること
  • 地域によってちがうニーズに合わせて、必要な数や種類の住宅をつくること
  • 高齢の人でも普通の賃貸住宅に住みやすくなるように、まわりのサポート体制を整えること

こうしたことを大切にして、お年寄りが最期までその人らしく、安心して暮らしていける住まいをつくっていくことが、これからますます大切になっていきます。

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